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ウェグナーとPPモブラー(工房見学)

追記 5月の終わり、PPモブラー3代目社長の来日セミナー (2017年以来) に参加。またご報告します。最新情報は店頭でご案内しています。


ウェグナーが晩年まで通い続け、最も信頼をよせていた工房 PP Mobler (以下PP)。PPとの強い信頼関係から生まれた名作の数々。どんな場所で、どのように作られているのか知りたくて、何度か工房を訪ねた私達にとって、特別なブランド。


Hans J. Wegner (1914-2007)


ウェグナーはデンマークを代表する家具デザイナー。生涯、500種類以上のチェアをデザインし、20世紀の北欧デザイン界に影響を与えた巨匠。


10代で木工マイスターの資格を取得。人間工学に基づいたデザインも学び、木を知り尽くした職人でもあるデザイナーです。


ウェグナーの作品は、いつくかの工房で製作され、その工房の得意分野にあわせた家具のデザインを提供。主な工房は3つ。機械による量産ができる大きな工場を持つカール・ハンセン&サン社(Yチェア)。マットレス製造に長けているゲタマ社(GE290やデイベッド)。そして熟練の職人による手作業を得意とするPPモブラー(ザチェアやベアチェア)。


過去に廃業になった工房で製作されていた作品は、これらの工房で引き継がれ又は復刻品として製作されているものもあります。


クラートではオープン当初から、特にPPの製品を定番としてご紹介しています。

クラート店内


PPは1953年にペダーセン兄弟ではじめた家族経営の小さな家具工房で、ふたりの頭文字からとられた名前です。


ウェグナーとPPとの出会いは、当時 APストーレン社 (廃業)の下請けで、ベアチェアのフレームをつくることになったことでした。


ある日、工房を訪れたウェグナーが「フレームは張ってしまうと見えなくなる部分なので、そこまで手間をかけなくてもいい」いという言葉に、「見えない部分まで完璧につくるのが我々の仕事だ」と言い切った創業者アイナ―。ウェグナーはその職人気質に惚れこみ、以降、ヨハネスハンセン社廃業後の家具の製造をPPに託しました。


1969年、ウェグナーはPPのために最初のチェアPP201をデザイン。その後、ロゴからマーケティング(約20年)まで携わり親密な関係を築きます。PPは下請け業者から自社ブランドの工房へと発展します。

現在は 3代目のキャスパーが引き継ぎ、いままでと変わらず品質第一の家具づくりを守っています。



工房見学


デンマークドイツの持続可能な森からとれた樹齢100年以上の木材。天板はすべて共木(一本の木)から取られます。なのでPPの天板は濃淡の差がほとんどなく、柾目の美しさが際立ちます。 木材は自然乾燥後、工房内で更に含水率6%まで人工的に乾燥。他の家具メーカーは8~12%が一般的で、この2%の差は非常に大きく、木の狂いや反りを防ぎます。この時間と手間をかけているところがPPの木に対する拘り。


PP503 ザ チェア 研磨、組み立て


100年以上も生きてきた木の寿命と同じ、それ以上に長く使える家具作りを使命としているPP。伐採後は植樹を続け、持続可能な森PPフォレストを守っています。

PP701 笠木接着


PP58/68 笠木研磨


PP35 Tray Table 天板


職人の命ともいえる工具箱。

職人自ら製作したもので、工具の収まり方も一流です。


PP19 Bear Chair ベアチェア 張替えの様子

大半が女性の職人。オーダーに合わせ革やファブリックを張り込んでいきます。ひとりの職人が最低でも一週間、張り込みの全行程を行います。


家具のパーツが作り置きされている倉庫。


スタッフ専用のダイニングルーム。



CNCなどの機械も導入されていますが、それ以上に人の手でつくられる工程がとにかく多い。ひとつひとつ職人たちの手で丁寧につくりださせるものなので、おのずと価格や納期に反映されます。


PPの商品は決して安いものではありませんが、日々の暮らしを豊かにしてくれる自分への投資のように思います。PPを通して、もの選びや使い方の意識を変えてくれるきっかけになるはずです。

PPモブラーの商品については、なんでもお気軽にご質問ください。


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こちらで商品(チェア、イージーチェア、テーブル... )のご紹介がまだまだできておりませんが、少しずつアップしていきます。


こちらも是非ご覧ください。


ウェグナーのラストダイニングチェア

PP701 Teak Limited Edition



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